メディアが生んだ「動物のように凶暴」なイメージ

現在、黒人に対する人種差別が正確に描かれている作品がいくつかNetflixで観られるが、そのうちの一つが『13th -憲法修正第13条-』(2016)だ。奴隷制廃止条項「憲法修正第13条」がタイトルとなったこのドキュメンタリーは、アメリカ建国以来、廃止されたはずの奴隷制度や人種隔離政策が形を変えて残っていることを浮き彫りにした傑作である。

〔PHOTO〕Netflixの「13th -憲法修正第13条-』のページより
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本作によると、「大きくて怖い」「動物のように凶暴」「白人女性を襲う」というような黒人男性に対する人種ステレオタイプは、D・W・グリフィスが監督した無声映画『國民の創世』(1915)により意図的に作られたという。アメリカ映画史初の長編映画として重要な作品だが、南北戦争前後の時代を舞台に、白人目線でKKKを正義として描いており、劇中、白人女性をレイプしようとする解放奴隷を悪魔的に映し出している。この奴隷のイメージが黒人男性の人種ステレオタイプの元になったというのだ。

この作品は大ヒットし、その頃にはほとんど消滅していたKKKを復活させてしまう。そして、映画が公開された後100年以上も続く差別により、多くの黒人男性が逮捕され、彼らが手錠をかけられ連行されるイメージがテレビや映画を通じて繰り返し流された。そのようにして、人種ステレオタイプがますます形づくられていったのだ。