「普通のいい先生」を絶望に追いやった、教育現場の「リアルな闇」

悪意の「拡散」が止まらない
月村 了衛

今回、学校のシステムについては現役教師の方に取材をしたのですけれど、教師の仕事の実態は驚くほどにハードでした。ブラックな職業である教職のリアリティも、作品には反映されているかと思います。

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―現在構想されているテーマ、次作のご予定はありますか?

『欺す衆生』以来、私の作品は人間心理を掘り下げていく傾向が強まっています。テーマとしては、善か悪かと簡単に判断できないところで生きている人間と、その内面の複雑さを描こうとしているんです。

人は何のために、何を考えて日々を生きるのか―、そこを突き詰められる題材を手がけていきたいと考えています。

近作では『白日』という、自分でも気づいていなかったのですが、題名からして『暗鬼夜行』と対をなすかのような作品を執筆中です。

 

『白日』は教育産業を舞台にした社会派サスペンスです。今作では明るいはずの学校の闇に潜み、人を惑わす「暗鬼」を描きました。次作では企業組織の闇で悩み、葛藤する人間を描くことで、読者の方々には真昼の陽光を感じてもらうことになるでしょう。 (取材・文/窪木淳子)

『暗鬼夜行』毎日新聞出版/1800円

『週刊現代』2020年6月13・20日合併号より