少なくとも200万人の女子の
人生に関わる問題

ネットには「ワクチン反対」の声も少なくない。だからどちらを選んでいいか「まだよくわからない、モヤモヤする」と感じている人は多いだろう。

一方で、子どもの乳幼児期の予防接種は疑問も持たずに受けてきたという人も多いのではないだろうか。それはなぜだろうか。HPVワクチンについては、公的接種が始まりお知らせも届いていたころ(※)のように「みんなが打つ」ような状況だったら、迷うこともないのかもしれない。

※HPVワクチンは、2013年4月に定期予防接種になった。1994年度〜1999年度生まれの女子では55.5%から最高で78.8%の接種率だったのが、その後厚生労働省が「積極的勧奨を一時的に差し控える」として以降の2004年度生まれの女子では0.1%以下に激減した[(Nakagawa S et al.(submitted)]。

今回の署名活動が目指しているのは、誰もがきちんとした情報を与えられ、理解し納得して自分の人生を自分で守る環境が確保されることだ。


「子宮頸がんをしっかり防ぎたい場合、初めての性行為を迎える前に打ってほしいワクチンです。今、打ち逃した高校2年生から大学2年生の女子だけでも、ざっと200万人。これだけの数の女性のこれからの人生に関わる問題なのです」(高橋さん)

HPVワクチンを打たねばならない、と強要しているのではない。選択の自由はあっていい。
しかし家庭に“お知らせ”が届かなければ、選択すらできない。
打ちたくない人には打たない権利が認められています。しかし、打ちたい人たちに対して、子宮頸がんを防ぐための有益な情報が届いていません。ワクチンの存在について、厚労省が広く周知し、積極的接種勧奨を再開することを要望します。国民が求めていると国に知ってもらうことが大切です。署名にご協力をお願いします」と高橋さん。

今回集まった署名は、厚生労働大臣のほか、予防接種の実施主体である自治体に声を届けるべく全国市長会・全国町村会にも提出する予定だ。

署名欄には、同じような悩みを持つ人のメッセージも届けられている。なぜキャッチアップ接種が必要なのかという説明もされている。だから、多くの人に、自分の目で見て、何かを感じてほしい。自分ならどうしたいか、自分の娘だったら、大切な友人の問題だったら?と、考えてみてほしいのだ。

仕事、結婚、出産…、どんな人生の選択も自由だが、健康によって選択肢が狭まれてはいけない。予防できる対策があることをもう一度考えてほしい。photo/Getty Images

今回の署名とHPVワクチンを選択する際に有益な情報を得られるサイト

change.org「HPVワクチン(子宮頸がん等予防)を打つ機会を奪われた若者たちが無料で接種するチャンスをください」

6つのがんを防ぐHPVワクチンってなに?〜産婦人科医の性教育〜
年間100件以上の講演を行う、産婦人科医師・高橋幸子さんによる中学3年生~高校生向け性教育講演の動画

◆高橋幸子医師のツイッター(@sakko_t0607)
sachiko☆dr.comのライフスキル講座

YOKOHAMA HPV PROJEC T
英文で発表されている学術情報をわかりやすい日本語に要約し発信している。WHOの子宮頸がんの排除に向けた世界的戦略についての和訳なども、ここで見ることができる。

子宮頸がんとHPVワクチンについて(神奈川県医師会編)
HPVワクチンの有効性、安全性、副反応のその後、接種の実際などについてまとめたパンフレット