いよいよソフトバンク・ショックがやってきて、最後にババを引くのは…?

最後の「ババ抜き」が始まった!
大原 浩 プロフィール

「借金の魔術師」の手腕と限界

「資金繰り倒産」という言葉がある。決算上黒字で業績好調に見えても、手元の資金(現金)がショートしてしまえば、支払いができず不渡りとなり倒産してしまうという現象だ。これは特殊なケースではない。

よく中小企業の経営で「資金繰り」という言葉が使われるが、彼らにとって大事なのは決算書で利益を出すことではなく、日々の運転資金の確保なのだ。

そもそも、決算書で利益を出すのは銀行融資の際に有利になるというような理由が中心(赤字企業では銀行融資を受けるのが難しい)で、決算書でいくら利益を出しても、税金をたくさん支払うだけである。

また、「『投資の神様』直伝、株価が伸びる会社を見抜く『5つの凄テク』全公開!」で述べたように、「新入社員が1年間会計を勉強すれば、合法的にどのような決算書も思いのままに作成できる」とドラッカーが述べるほどだ。

つまり、決算の数字はかなり恣意的であり企業の実情を必ずしも正確に表すものではないということだ。

決算上の利益と納税額の大きな食い違いも過去話題となったが、これも合法だと判断された。要するに、「決算上赤字が出たからすぐに倒産するわけではない」ということである。

「資金繰り倒産」の逆だから、「赤字決算粘り腰」とでも呼ぶべきなのであろうか?いくら決算上赤字でも、「資金繰り」ができれば企業は倒産しないのである。

「巨大な中小企業」であるソフトバンク(孫正義氏)の資金調達能力は「借金の魔術師」と呼びたいほどの凄腕だ。ビジネスが次々とダメになっても、どこからか資金がやってきて事業が継続されるという魔法のようなことがしばらくは起こるかもしれない。

 

しかし、その魔法が永遠に続くわけでは無いことは明らかだ。目先の資金繰りができるからと言って、その会社の将来性があるわけではない。いつかは破滅の日がやってくるし、良くても「赤字決算粘り腰」で低空飛行を続けるだけである。