また感染隠し? 中国東北部の被害が公表より大規模で地方幹部更迭

ここでも武漢肺炎ガバナンスの問題露呈
北村 豊 プロフィール

ロシア経由、感染拡大

さて、武漢肺炎の感染が隣国ロシアに波及すると、ロシアに滞在していた中国人の商人や留学生、さらにはロシア在住の華僑は、ロシアに居るよりは中国の方が安全だと考えて、続々と中国へ帰国した。

4月6日、中国政府は中ロ国境で最後に残っていた出入国ゲートである綏芬河検査場を4月7日から13日まで一時的に閉鎖すると発表し、検査場の再開時期は別途協議の上で決定するとした。これによって、ロシア国内に滞在する中国の数十万人もの中国国民(主体は出稼ぎ労働者)がロシアから直接帰国する術を失ったのであった。

綏芬河検査場が所在する綏芬河市は黒龍江省の東南部に位置し、牡丹江市の管轄下にある人口7万人の小都市であり、極東ロシアの沿海地方との国境線は27キロメートルに及び、沿海地方の州都であるウラジオストック(中国名:海参崴)からは210キロメートルの距離にある。

黒龍江省政府「衛生健康委員会」が4月7日に発表したところによれば、4月7日までに綏芬河検査場から入国した武漢肺炎の感染者は59人を数えた。

これら59人は個別に飛行機で9時間かけてモスクワからウラジオストックへ移動し、ウラジオストック到着後はバスで2時間かけて綏芬河検査場まで運ばれて入国手続を経て中国へ入国したのだったが、彼らは全て中国国籍を持つ中国国民であった。

中国がロシアとの国境である綏芬河検査場を閉鎖した4月7日時点において、綏芬河市内では13階建のオフィスビルを改造して600人収容可能な「方艙医院(仮設病院)」を建設する工事が始まっていた。これは3階から11階までを収容された陽性患者の病棟として活用するもので、4月11日からの運用開始を予定していた。

 

要するに、ロシアとの国境が閉鎖されるまでに極めて多数の中国人がロシアから帰国していたが、それらの帰国者の中に武漢肺炎に感染した人々が多数存在したために、彼らによってロシアから持ち込まれた新型コロナウイルスに綏芬河市の市民が感染して武漢肺炎を発症したのだった。