正義という名の棍棒を振り回す「ゼロリスク信者」たち

あなたの、その正しさは本当に正しいか
週刊現代 プロフィール
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「マスクの着用や消毒、距離を空けるなど万全な対策を取れば感染リスクが高い場所とは思えません。実際、パチンコ店でクラスターが発生したという事案もない。こうしたことを踏まえると、社会にとって元々『悪』だと思われていたものが、『命を守れ』という正義の棍棒を使って叩かれているように思えます。

これまで批判を受けてきたのは、外で飲み歩いている若者、夜の街で働く人、それにパチンコ店の経営者や利用客です。いずれも、コロナ騒動が起きる以前から『社会秩序を乱している』と一部の人たちから指摘されてきた層です。いつか排除したいという元々あった願望が、制裁行為に拍車をかけています」

 

ちなみに、性風俗店も休業要請対象に入っているが、営業を続ける店舗にバッシングが起こる動きはない。

むしろ、お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史がラジオ番組で「コロナ騒動が明けたら、生活に困った美人が風俗で働くようになる」などと発言したことが「苦しむ人を揶揄するのか」と批判を浴びた。

軽率な発言に違いないが、経済的な視点で見れば、パチンコ店の経営者や従業員も苦しいのは同じだ。パチンコ店は悪だが、風俗嬢はかわいそう、これも一つの差別だろう。

社会に混乱が生じたとき、一部の人にとっての社会的異物を取り除く動きは、歴史的に珍しいことではないという。

「文化人類学者のメアリー・ダグラスの論考によると、中世のヨーロッパでハンセン病が拡大したとき、隔離施設に閉じ込められた人のほとんどが貧困層だったそうです。しかも、その中にはハンセン病にかかっていない人たちも多くいました」