医者や看護師を「特攻隊」にした、この国の医療体制の貧弱さ

その根本にある問題
週刊現代 プロフィール

SARSやMERSの被害が、日本では幸運にもさほど大きくならなかったことも、こうした考え方に拍車をかけた。

結果、感染症指定医療機関でも、設備の整わない一般病床の一部を新型コロナ患者に割り当てるような事態になった。東京の墨東病院など、指定医療機関でも院内感染が多発したのはこのためだ。

 

「儲からない」「無駄だ」と判断し、専門医も感染症専用病床も減らし続けた結果、いまの日本の医療体制は極めて貧弱になってしまった。それを、医師、看護師などの医療従事者たちの自己犠牲によってギリギリ持ちこたえているにすぎない。

兵站のないまま、「自発的」に自らの命を危険に晒させる。戦時中の「特攻隊」と何ら変わらないのである。

『週刊現代』2020年5月23・30日号より