医者や看護師を「特攻隊」にした、この国の医療体制の貧弱さ

その根本にある問題
週刊現代 プロフィール

「その半数はクリニックや中小病院、介護系の病院などで勤務していると考えられます。感染症専門医の資格を取る前に、内科、小児科、皮膚科、眼科などの専門医資格を取得する必要があります。クリニックなどにいる感染症専門医の多くが、小児科医や眼科医として働いています」(長浜バイオ大学教授・永田宏氏)

本来、感染症専門医は一つの医療機関につき最低一人は在籍することが理想とされる。しかし、国内の療養病床を備えた一般病院の数は実に約3730施設('18年時点)。まるで足りていないのだ。

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「インフェクションコントロールドクターは国内に7000名ほどいるとされています。数としては十分なのですが、質は必ずしも高くないのが実情です」(前出・森兼氏)

院内感染のもう一つのパターンが、新型コロナと自覚している患者が、治療を受ける指定医療機関で、医療従事者にうつしてしまうというものだ。

 

今年1月末、政府は新型コロナを「指定感染症」にすると決定した。指定感染症になったことによって、新型コロナ患者は「感染症指定医療機関」でのみ診療することになる。前出の高橋氏が語る。

「なぜ指定感染症にしてしまったのか、不思議でなりません。その結果、すべての患者が医療機関に入院することになってしまい、ベッドが占有されてしまうことは明らかでした。恐らく、ここまで感染が拡大するとは想定していなかったのでしょう」

20年で専用病床が激減

感染症専用の病床は室内の気圧を低くすることで、ウイルスが外部に漏れないような仕組みになっている。だが、こちらも数が足りない。感染症専用病床は'95年には約9970床あったが、'18年には約1880床にまで激減しているのだ。

「感染症の指定病床を設置するには初期コストが相当かかります。にもかかわらず、感染症の患者が発生したときのために、ある程度、平時でも空きを作っておかなくてはならない。病院の経営という面では、メリットが少ない」(前出・森兼氏)