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もはや誰も覚えていない「プレミアムフライデー」はなぜ失敗したのか

コロナ禍のウラで消えた…?
永田 雅乙 プロフィール

一企業にも劣る「お国の施策」

外食業界において、積極的にプレミアムフライデーを活用した企業といえば「串カツ田中」が有名だ。

同ブランドは、2017年1月の最終金曜日に「フライングフライデーキャンペーン」なる施策を打ち出し、当時メディアでも注目を集めた。2月から施行のプレミアムフライデーを先行して実施したことからも、その本気度が見て取れる。

その後も「串カツ全品100円キャンペーン」の実施、「特別メニュー串カツ豚『プレミアム串カツメガぶ~』」の提供など、暫くは毎月のように次々とプレミアムフライデー施策をリリースしていた。

では競合他社はその頃どうしていたかといえば、「一応参加してみた」という雰囲気の企業がほとんどだ。開店時間を早める、ハッピーアワーの導入、特別メニューの販売など、いずれも通り一遍の対応で、積極的な企業は少なかった。

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今回の執筆にあたり、当時参加していた企業・ブランドのホームページなどを再度見てみたが、「プレミアムフライデー」の文字はどこにも見当たらなかった。そう、プレミアムフライデーは外食業界においては自然消滅したのである。

あえて触れてこなかったが、2019年3月に「プレミアム“キャッシュレス”フライデー」という、経産省曰く「コラボでパワーアップ」した施策が登場したことがある。だが、我々外食業界が興味を抱くことはなかった。なぜなら、その頃すでに各キャッシュレス決裁ブランド独自のキャンペーンがド派手に展開されており、そちらのほうがより前向きな内容だったからだ。

莫大な税金を投入しては、浸透しない――。プレミアムフライデーに限った話ではないが、なぜ「お国の施策」はいつもこうなるのだろうか。末端の商いを理解していないどころか、そもそも本気で考えているのか疑いたくもなる。

今、外食業界は商いを止められ、瀕死に追い込まれている。プレミアムフライデーのような失敗が見えていた施策ではなく、外食業界を守るための本気の施策を期待したいものだ。