# 飲食店

もはや誰も覚えていない「プレミアムフライデー」はなぜ失敗したのか

コロナ禍のウラで消えた…?
永田 雅乙 プロフィール

良くも悪くも影響がなかった

当時、筆者はプレミアムフライデーにまつわる様々な課題を予測していた。15時〜17時というイレギュラーな時間帯でのオペレーションによる労務環境の悪化、宣伝・販促費などのコストアップに伴う営業利益の低下などがそうだ。

ただ同時に、「良くも悪くもそこまで浸透しない気がしているので、影響を気にするほどではない」とも考えていた。

そもそも、一般企業にとって月末の金曜日も業務山積のはずで、キャンペーン実施には適さない向きがある。まして、個人消費の原資(稼ぎ)や小遣いが増えるわけではない。サラリーマンの小遣いが2011年以降ほぼ横ばい・微減という調査結果があるほか、当時の2016年家計調査(2人以上世帯)では消費支出マイナス1.7%(3年連続減少)を記録していたことからも、それは明らかだ。

筆者の記憶を辿れば、2016年秋頃までは各企業とも比較的前向きにプレミアムフライデーに向けて準備をしていた記憶がある。しかし、年末年始でのメディアの報道や経産省などの控えめな発言から、開始前に相当熱が冷めたのを覚えている。

 

一応、プレミアムフライデーの開始から約1年経った2018年5月には、セール・キャンペーン実施企業のうち(各業種)、約7割が来店増加を経験、売り上げについても約5割以上が増加となったというデータも出ている(新日本有限監査法人公式調査)。

確かにそのデータ通り、東京・名古屋・大阪・福岡の都市圏では、対策を打った飲食店は一定の手応えを感じていたようだ。しかし問題は、地方・郊外においてはほぼ手応えが無かった点だ。

そして半年も経過すると、“マンネリ感”や“飽き”というか、手応えはほぼ皆無となった。結局、プレミアムフライデーは良くも悪くも外食業界には影響がなかった、というのが大枠の現実なのである。