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もはや誰も覚えていない「プレミアムフライデー」はなぜ失敗したのか

コロナ禍のウラで消えた…?
永田 雅乙 プロフィール

認知率と実施率の乖離

「プレミアムフライデー」というワード自体は、読者の皆様も耳馴染みはあるはずだ。ネット調査の中にも「認知率は90%超え」という結果が出ていたように、国民の間にその存在は確かに浸透していたと考えられる。

では一方で、プレミアムフライデーの実施率はどうだったのだろうか。2017年2月~2019年1月までの全17回の調査で、企業の実施率の平均値が発表されているので紹介する。

それによれば、大企業において15%、中小・零細企業では9.1%に留まっている。90%以上もあった認知率と比べれば、いかに実施率と乖離しているか、また大企業と中小・零細企業とで乖離が目立つことがよく分かる。

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なぜ、これほどまで実施率が低かったのか。それを考えるにあたり、筆者もまた、このプレミアムフライデーを商戦と見て、準備と対策に追われたのを思い出した。コンサルタントとして、クライアントの外食企業にどのような指導を行なったのか――それを知るために、過去の資料を引っ張り出すと、以下のような内容が記されていた。

プレミアムフライデーが毎月末金曜日に設定されたことは、我々外食業界にとっては良いニュースではない。それは元来から給与支給後の金曜日は繁忙日であり、通常平日売り上げの1.5倍以上を売り上げられる大切な営業日である。金曜日15時退社になることにより、今まで以上に飲食店以外の業界にお客様が流れるリスクが上がってしまう

つまりその当時の外食業界は、プレミアムフライデーの扱いを「売り上げアップ」といったポジティブなものとは真逆の、「守備に徹すべき」というネガティブなものとして捉えていたのである。