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新しい日常に必須の「コロナ追跡アプリ」は本当に使えるのか

プライバシー保護が心配だが…

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が全国で解除されて早2週間以上が経過した。社会活動の自粛要請なども徐々に緩和され、同ウイルスの存在を前提にした「新たな日常(ニューノーマル)」が始まった。

そこで注目されるのが、今後、新たな感染者が報告された際、その接触者や感染経路などを突き止めるためスマホに搭載される「追跡アプリ」だ。すでに諸外国では導入されているが、プライバシー保護をはじめ普及に向けた課題が明らかになっている。

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台湾の徹底した水際対策

追跡アプリを早期に導入したのはシンガポールや韓国、中国、さらにイスラエルやイタリアなど。結果はマチマチで、たとえば韓国のように比較的功を奏した国もあれば、シンガポールやイタリアのように大した効果が見られなかったケースもある。違いの理由は今のところ分からない。

またアプリという形式はとらなかったが、台湾では今年1月31日、豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号が停泊して約3000人の乗客が下船した際、各人のスマホの位置情報を追跡した。これにより、乗客らが訪れた観光スポットなど約50ヵ所を特定し、同日これらの場所を訪れた地元住民の一部に2週間の症状確認と自宅待機を求めた。

そして最終的には、下船した乗客と接触した62万人余りの台湾住民も特定することができた。その際には、単なるスマホの位置情報に加え、市街地の監視カメラが捉えた映像や乗客らによるクレジットカードの利用履歴など、多彩な個人情報が組み合わせて利用された。

3000人の乗客がたった一日滞在しただけで、62万人もの住民に接触していたというのは、言われてみれば驚くべき数字である(もちろん「接触」とは言っても、実際に身体に触れたという意味ではなく、その大半は乗客の周囲まで接近したということを意味している)。

ただ、そのやり方から容易に見て取れるように、相当プライバシーに踏み込んだ追跡調査が行われたからこそ、それに見合う成果を出すことができたと言える。それは韓国やイスラエルを始め他の国についても基本的に同じで、突発的な非常事態ゆえに許容されたという面もある。

 

仮に、これと同様の手法を各国が今後システムとして定着させようとすれば、政府による監視国家の出現を懸念する声なども聞かれるようになるだろう。

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