今回、河合塾が模擬試験で作った国語問題は、「日本国憲法」を題材とするものだった。
詳しくは、様々な支障が考えられるのでここで説明できないが、それはいくつかの別のテクストを関連付けつつ読解し、答えを選ぶもので、これまでの高校教育やそれに基づいた各種予備校・塾の「普通の授業」では、扱っていなかったような問題形式である。
もちろん、純粋に日本語読解としての設問も含まれるが、たんなる読解力を超える認知能力や記憶力、スピードを要求される面も少なくない。つまり、これまでの現代文「読解力」というカテゴリーには収まらない、なにか別の能力が試されているのである。
共通テストの作問方針は、当初から大きく変わったり、マイナーチェンジもあったりして、最終的・決定的なものは示されていないと認識しているので、この出題形式が長期的につづくのかもわからない。また、設問そのものが、良いものか、悪いものか、にわかには判断しかねる部分もある。
しかし、こんなわからないことだらけの内容の試験を、コロナ禍で3か月の差が出来てしまった受験生に「予定通り1月」に受けさせるのはどうかと思う。
では、本来ならどうすべきだったのか。私見では、共通テストは、センター試験型の作問と出題内容に一時的にでも戻して、できれば、試験時期も3月以降にするなどの対応をしてもらうのがベストだと思う。しかし、9月入学論も無くなった現在、入試の実施時期だけはしっかり守りたいというのが、政府の方針らしい。
そこで、「このまま実施」という方向性に合わせて、今後、受験生動向はどう変わるかを予測し、生徒・受験生が、最大限のパフォーマンスを出すためにすべきことは何かを考えてみようと思う。