また、避妊の状況にも変化が起きているといいます。

「相談時に『避妊の状況』について確認しているのですが、『避妊ができている(コンドームの正しい装着ができている、または低用量ピルの内服が正しくできている)』と答えた割合が2019年では55%であるのに対し、2020年3月1日~5月10日のデータでは34%に減少しています。同時期のデータを10代に限って見てみると、『避妊ができていない』の割合が、24%(2019年)から37%(2020年)に上昇していました」

10代の妊娠相談の増加の背景については、コロナ下で避妊具へのアクセスが悪くなったこと休校により、従来2、3月に行われることが多い性教育の機会が減ってしまったことなどが影響しているのではないかと、ピッコラーレさんたちのあいだでは推察しているそうです。

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「親に知られないよう中絶できないか」

予期しない妊娠の相談に対し、土屋さんはどのように対応しているのでしょうか。

「妊娠検査薬を試していない段階であれば、まずは妊娠検査薬を使って、結果を教えてねとお伝えしています。薬局等で1,000円未満で購入ができます。妊娠検査薬を使い、陽性反応が出たという人からは『親に知られないように中絶ができないか』と相談されることが多くあります

まずは相談してくれた方との信頼関係を築くために、相談をしてくれたことを労いながら、一緒に考えたり、必要に応じて病院受診や保健師さん、ご家族との面談に付き添うこともあります。

最終的に親に言わなければ難しい場合も多いですが(※)、最初から親に相談することを勧めるのではなく、気持ちを聞きながら、本人が産む・産まないの選択をしていけるよう、不足している情報を補うことを大切にしています。

妊娠22週を過ぎた場合は、中絶が法律上認められないため、自分で育てられない場合は特別養子縁組や、一時的に養護施設でお子さんの養育を見守るという選択肢についても伝えています」

※ 人工妊娠中絶手術を行う際には、母体保護法上は本人と配偶者の同意のもと可能としており、未成年者の保護者の同意は明記されていないが、実際の運用では施設側の考え方や方針により、保護者の同意を求める施設も多い。