ただ、緊急避妊薬のオンライン診療については、2019年7月にオンライン診療の指針において、緊急避妊薬の取り扱いが要件付きで解禁されました。厚生労働省は、緊急避妊薬に関して初診からオンライン診療を行うための医師の研修をeラーニングで行っています。

また、オンライン診療で発行された緊急避妊薬の処方せんを調剤するための薬剤師の研修は、新型コロナの影響で一時ストップしていますが、2020年4月から、新型コロナウイルス感染症への対応として、現在、電話やオンライン診療による初診や服薬指導(緊急避妊薬や低用量ピルを含む)が時限的・特例的な取扱いのもと可能になっています。

コロナ下、緊急避妊薬をあきらめた人も

コロナ下における意図しない妊娠やアフターピルの服用状況を調査するためのオンラインアンケート(1545人が回答)を実施した「#なんでないのプロジェクト」の代表・福田和子さん(FRaU WEBでも連載中)も、同調査の中で、オンライン診療の周知の課題や避妊へのハードルの高さが改めて浮彫りになったといいます(福田さんは近日中に詳しいアンケート結果と分析の発表を予定している)。

「いただいた声の中には、家での時間が延びたことやパートナーのストレスから、相手がコンドームをつけてくれなくなったり、自分が望まないときにも性行為を受け入れざるを得ず、苦しんでいる方も多いように思いました。

そのような状況があるにもかかわらず、今回特例であれど解禁された初診からのオンライン診療の認知度は、関心やリテラシーが比較的高いと思われる回答者の中でも3割程度に過ぎませんでした

結果として、低用量ピル、緊急避妊薬、いずれもいつも以上のハードルに直面し、低用量ピルの補充ができなかったり、緊急避妊薬の服用を諦めたりしている人がいます」(福田和子さん)

〔PHOTO〕iStock

日本における緊急避妊薬に課題があることから筆者が始めた「緊急避妊薬のアクセス改善を求める署名キャンペーン」の賛同者は、現在5万名に迫り、この6月、一緒に院内勉強会を進めてきたメンバーと「薬局での緊急避妊薬の入手を実現する市民プロジェクト」を発足します。市民活動団体や専門家を巻き込みながら、緊急避妊薬のアクセス改善を求める声を政府に届けていきたいと思います。

▼ピルコン 避妊・妊娠、性について相談したい方のための相談窓口一覧
https://pilcon.org/help-line/contact

▼アフターピルのアクセス改善を求める署名キャンペーン
http://chng.it/X2hxrZ4TDz

▼6月17日 オンライン院内勉強会『新型コロナウイルス感染症の影響下における妊娠不安の実態と緊急避妊薬の課題』を開催!

新型コロナウイルス感染症対策に伴う外出自粛の影響で女性や子どもに対する暴力が世界的に急増しており、日本では意図しない妊娠の不安に関する相談の増加が報道されています。緊急避妊薬のオンライン診療が認可された今、新型コロナの影響で先行きの見えない不安が続くなか、女性や子どもの健康を守るために必要な課題や施策を考えます。

■日時・場所:2020年6月17日(水)13時~15時
■会場:議員会館よりオンラインで配信予定
※申込された方に当日ZoomのURLをお送りします。後日YouTubeにて動画を適宜編集のうえ配信予定。
■対象:国会議員、メディア、一般の方(※一般の方の参加はオンラインのみ、定員80名、先着順)
■主催:緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト
■詳細・お申込み:https://kinkyuhinin617.peatix.com/