素朴で愛らしい表情をたたえて、キュッキュッと首を鳴らす、鳴子こけし。江戸時代から続くこけし作りを実直に守る、宮城県最北部の山間にある鳴子温泉郷を木工作家の盛永省治さんが訪ねました。

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みちのくの工人たちの
息吹に想いを馳せる

〈旬菜 呑処こけし〉の女将さん。おいしい手料理と軽快なトークで地元の人から観光客まで多くの人に愛される。/旬菜 呑処こけし 宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷26 ☎0229-83-3122

日が沈み、地元の人に教えてもらった〈旬菜 呑処こけし〉へ向かった。女将が一人で切り盛りする居酒屋で、古民家の古材を使って建てたという風情ある空間。近くの山で採れた山菜やキノコ、川魚を使った家庭料理の数々が食べられる。

〈旬菜 呑処こけし〉の人気メニュー、「牛タン焼き」は柔らかくジューシー。

盛永さんが暮らす鹿児島では芋焼酎が定番だが、“郷に入っては郷に従え”というわけで今夜は地酒をいただくことに。

杯に注がれた日本酒をグビッと飲むと、清らかな飲み口で喉をスーッと通る。あまりにおいしいので女将さんに「これ、何ていう日本酒ですか?」と聞くと、「中山平」という純米吟醸なのだと教えてくれた。この辺りでしか出回っていない日本酒だが、隣町の酒屋で買えるという。

温泉水を使った地酒、純米吟醸「中山平」は中山平温泉駅前にある〈倉加屋〉でしか手に入らない。

翌朝、教えの通り、中山平温泉駅にある酒屋〈倉加屋〉へ。

〈倉加屋〉の前で。/倉加屋 宮城県大崎市鳴子温泉字星沼79-35 ☎0229-87-2201

お目当ての「中山平」は、地元で採れたひとめぼれと温泉水を使った地酒なのだと店主に教えてもらった。無事に買えた盛永さんは「家族へのお土産にします」と嬉しそうだ。