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過去最大の大赤字…ソフトバンクショックの「ヤバさ」を分析する

営業損失1兆円超えの衝撃

ソフトバンクグループが過去最大となる1兆3646億円の巨額赤字を計上した。同社は資産売却などを進め、財務体質の改善を進めるとしている。一部からは今後を不安視する声も聞こえてくるが、経営が破綻する可能性は極めて低い。

その理由は、同社はすでに事業会社ではなく投資会社に近い事業形態になっているからである。投資会社は良くも悪くもコアとなる事業がないため、投資に失敗すれば、ポートフォリオが歯抜けになっていくだけである。

幸い、同社には通信というコア事業が残っており、一定のキャッシュフローを確保できている。資産売却などによって得た資金と、通信子会社が稼ぐ資金を使って、どこまでポートフォリオの解体を止められるのかが今後の焦点となるだろう。

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ソフトバンクはもはや投資会社

ソフトバンクグループは2020年5月18日、2020年3月期の決算を発表した。売上高は前期比1.5%増の6兆1850億円だったが、営業損益は1兆3646億円の赤字、最終損益も9615億円の赤字に転落した。2兆円の営業利益だった前期から一転し、過去最大の赤字決算である。

冒頭で説明したように、同社には通信事業というコア事業が存在しているものの、限りなく投資ファンドに近い事業形態となっている。今回、計上した損失についてもほとんどが投資事業の評価損といってよい。具体的にはソフトバンク・ビジョン・ファンド(いわゆる10兆円ファンド)が保有する、ウーバー(ライドシェア)、ウィーワーク(シェアオフィス)といった企業である。

一方で、同社は年間約1.1兆円の営業キャッシュフローを確保しているが、この大半は通信子会社であるソフトバンクが稼ぎ出したものである。投資先の評価損というのはキャッシュが流出したものではないので、同社がすぐに資金繰りに窮することはない。