高校入試「英語スピーキングテスト」が、日本の英語教育を破壊する

来年度から都立高校入試で始まるが…
田中 圭太郎 プロフィール

「学ばなければならない英単語数は倍になって、授業は基本的に英語で行われます。国は勉強ができる子に焦点を当ててエリート教育を進めたいのでしょうが、こんな変化が急激に起きれば、一般の中学生は大変です。英語嫌いの中学生が増えるのは目に見えています。スピーキングテストの導入よりも、まず生徒一人ひとりの実情に合った学習のフォローが必要ではないでしょうか」

 

「スピーキング」導入した岩手のその後

英語スピーキングテストの導入に向け、昨年11月から12月にかけて、都内の公立中学3年生のうち約8000人を対象に初めてのプレテストが実施された。プレテストの名称は「2019中学校英語スピーキングテスト Supported by GTEC」。「GTEC」とは、大学入学共通テストの英語民間試験で使われる予定だったベネッセコーポレーションの英語検定試験のことを指す。

この時期は、大学入学共通テストの方針が転換されたタイミングだった。英語民間試験の実施延期が表明されたのは11月1日。国語と数学の記述式問題の導入見送りが決まったのは12月17日だ。

その後、東京都教育委員会では、スピーキングテスト実施の是非について公式な議論の場は設けられていない。今年度は3年生全員となる8万人に確認プレテストを実施し、来年度から都立高校入試に導入する方針だ。

教育委員会に、大学入学共通テストで英語民間試験と記述式問題の導入が見送られた影響はないのかと聞くと、「国とは事情が違う」と回答が返ってきた。

「スピーキングテストについては教育委員会が監修しています。実施に向けて課題があれば、その都度きちんと対応しています」

公立高校の入試に初めてスピーキングテストを導入したのは岩手県だった。2004年度に対面形式で導入し、試験の実施と採点は各高校で行った。しかし、待ち時間を含めて生徒の拘束時間が長くなり、また教員の負担も大きかったため、2006年度を最後に廃止した。その後は再導入の検討もされていない。いくら教員の負担が大きいからと言っても、民間委託などは一切検討されなかったのだ。

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