高校入試「英語スピーキングテスト」が、日本の英語教育を破壊する

来年度から都立高校入試で始まるが…
田中 圭太郎 プロフィール

教員などから懸念が示されているのが、まず採点の公平性である。

大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題では、ベネッセコーポレーション傘下の学力評価研究機構が採点を61億円で受注していたが、学生アルバイトが採点の実務を担当することが判明し、公平性が確保されないなどの理由で導入が見送られた。都立高校のある英語教諭は、記述式問題の導入が見送られた時に「これで高校入試の英語スピーキングテストも導入が見送られるだろうと思った」と話す。

「英語のスピーキングテストも、採点の公平性などに問題があります。当然、大学入試にあわせて導入を見直すだろうと思っていたら、今に至るまでまったく見直しの議論は行われていないどころか、予定通り導入するというではないですか。正直なところ、呆れています」

 

誰が、どう採点するのか?

英語スピーキングテストの採点の何が問題なのか。それは、最大限の公平性と機密性が求められる公立高校入試にもかかわらず、採点者が何者なのかはっきりしないことだ。

東京都教育委員会によると、ベネッセ側が明かしている採点スタッフの詳細は、「フィリピンにいる専任の常勤のスタッフ」だという。しかし、この説明ではあまりにもあいまいすぎる。

スタッフの国籍について質問すると、教育委員会の回答は「国籍に関してはお答えできない」。「専任の常勤スタッフ」とはどういう意味なのか、採点時以外は何の仕事をしているのかについて聞いても、明確な答えはない。担当者は「専任で常勤のスタッフだということを、書面で確認しています」と言うだけだった。

スピーキングテストの採点は、発音や文法などを採点者がどう判断するかにかかっている。採点者の語学力によって、点数にブレが生じることも考えられる。仮に採点ミスがあったとしても、検証するシステムもない。スタッフの詳細を明らかにせずに、正しく採点できると言い切る根拠はどこにあるのだろうか。

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