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高校入試「英語スピーキングテスト」が、日本の英語教育を破壊する

来年度から都立高校入試で始まるが…

現在の高校3年生から新たに実施される大学入学共通テストで、英語の民間試験は導入延期になり、国語と数学の記述式問題も導入が見送られた。特に記述式問題は、ベネッセコーポレーション傘下の学力評価研究機構が61億円で受注していたが、学生アルバイトが採点することなどから、公平性の確保が疑問視された。

一方で、大学入学共通テストの記述式問題と同様の問題を孕んでいるにもかかわらず、2021年度から都立高校入試に導入されようとしているのが、「英語スピーキングテスト」だ。受託しているのは、やはりベネッセコーポレーションである。

この英語スピーキングテストは、採点をフィリピンにいるスタッフが行うことになっているが、その詳細は不明だ。現場の高校教員や専門家からは「教育効果よりも弊害のほうが大きい」と異論が噴出している。何が問題なのか、整理してみたい。

 

懸念される「採点の公平性」

英語スピーキングテストは、現在の中学2年生が3年生になる2021年度から、都立高校入試に導入される予定で進められている。テストを受けるのは都内の公立中学校の3年生全員と、都立高校の受験予定者。その数は約8万人に及ぶ。

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東京都教育委員会によると、実施の目的は「英語を話すことに関する評価」を導入すること。その方法として「教育委員会が監修し、民間の資格・検定試験実施団体が行う新たなスピーキングテストを活用」するという。

民間業者に採択されたのはベネッセコーポレーション。4事業者が手をあげたというが、他の事業者名は明らかにされていない。ベネッセコーポレーションとの契約期間は2019年から5年間で、事業費は5億4830万円で契約している。

テストは生徒がタブレット端末とマイク付きヘッドホンを使って受験し、回答を録音する方法で行われる。すでに2019年度にプレテストが行われた。2020年度は確認プレテストが予定されている。