1年ほど前から日本茶に興味を持つようになったと語るLicaxxxさん。お茶の世界にハマったきっかけや、どのようにして知識を得ているのかなど初心者の手引きにもなる、素敵なお話を聞かせてくれました。

実験のようなおもしろさと
芸術的な要素の両方がある

お茶に特別な関心を寄せることになった入り口はズバリ“お酒”。

「それまでは“焼酎”や“白ワイン”などのジャンルでお酒を選んでいて、種類については詳しくなかったのですが、一つのジャンルの中でも味も香りも全然違う。たくさんの種類を知りたい、もっと知識を付けたい、と感じてから“お茶”というジャンルにも興味が出ました

食のプロに聞くのが早いと思い、食はもちろん、飲み物の奥深さについて教えてくれた、目黒にある『Kabi』というレストランへ

「お茶やコーヒーについていろいろ聞いていたら、表参道にある『櫻井焙茶研究所』という日本茶専門店を教えてくれたんです。さっそくそのお店を訪ね、『お茶のコース』をオーダーしたところ、最初に出てきた手揉み茶の旨みがすごかった。コースの一発目から、“こんなの飲んだことない!”と喰らっちゃいましたね(笑)

一煎目、二煎目と味が変化していくのを感じながら、最後には茶葉を食べるんです。これがまた、おいしくて。そんな経験なかったし、おいしさにも衝撃を受けて、さらにのめり込んでしまいました」

コースで飲む日本茶の魅力にノックアウトされたLicaxxxさんは、すぐにリピートしたそう。

「楽しいわおもしろいわで、他のお茶も飲んでみたい! となりました。“これから焙じますが、どの茶葉がいいですか?”と聞かれ、じゃあこれ、となんとなく選んだんですが、全部飲んでみたいと思うくらい、おいしくて。淹れている様子を見ているのも楽しいし、温度や淹れ方によって味が変わっていくのもおもしろい。お茶って、理科の実験みたいなところがあるんだなと」

以前にはコーヒーにハマったこともあるそうで、そのときもお店など専門家のいるところで話を聞き、温度管理や産地、焙煎といった部分に興味を持って熱中したそう。その道のプロにまず話を聞いてみるというのは、案外いい手かもしれない。

「詳しい方に教えてもらうのが、一番楽しいし早い。しかもプロはプレゼン力もある。お茶を一度に何種類も飲み比べることで、自分の好みや好きな味に最速で辿り着けるんです」

日本茶そのものに加えて、最近は茶器への関心も増していると言う。

欲しいなと思っているのは、陶芸家・二階堂明弘さんの作品。シンプルで上品だけどどこか力強く、器などがとても素敵なんです。今はまだハッシュタグでチェックして眺めている段階なんですが、お店や展示会などで、ちゃんと実物を手に取って購入したい」

お茶にまつわるすべてが楽しくて仕方がない、と笑う。その表情からも、新しい世界への好奇心、ワクワクした感情が伝わってくる。

「奥が深くて大変だな、とも思いつつ(笑)。私の場合、お酒をいろいろ飲んできたあとで、改めてお酒以外の、コーヒーやお茶に興味を持つようになった。お酒は大人の特権のように思っていたけれど、実はノンアルコールの世界も相当深い。年齢を重ねていくと、それまで知らなかったいろんな扉があって、おもしろいですよね。

人生の経験値が上がった今だから、その奥行きが楽しめる。友だちが家に来たときも、リクエストに応じて、お茶もコーヒーも丁寧に淹れて出せる自分、いい感じだなって思っています(笑)」

Licaxxx(りかっくす)
1991年生まれ。DJ、ビートメイカー、編集者、ラジオパーソナリティとして様々な場で活動するマルチアーティスト。2010年にDJ活動をスタートさせ、国内外でフェスやクラブイベントに出演。ビデオストリームラジオ「Tokyo Community Radio」主宰。

●情報は、FRaU2020年5月号発売時点のものです。
Photo:Kawaharazaki Nobuki Writing:Negishi Kiyoko