日本屈指のお茶処、静岡県で生まれ育った女優・田中道子さん。「お茶は身近なものだった」とさらりと語られるエピソードから、産地ならではの日本茶の浸透っぷりに驚かされるばかり。食育、文化としての日本茶に、さらに興味が湧いてきます。

学校で日本茶を推進していて
うがいもお茶でしていました

長身で日本人離れしたスタイルの田中さんだが、彼女が幼少期から毎日飲んでいたのは、牛乳ではなくお茶。

「毎朝、家族の誰かが淹れてくれたお茶で一日が始まっていました。家には常にいただきもののお茶があって、子供ながらに、複数のお茶を淹れて飲み比べもしていましたね。でも全然、銘柄とかに詳しいわけではないんですけど(笑)」

特別なことだと認識していなかったのは、それだけ日本茶が生活に根付いていたということ。

小学生の頃は学校に水筒を持って行っていたのですが、中身はみんな、日本茶。風邪を引きにくくなるからと、温かいお茶を水筒に入れて、それでうがいもしていました。学校でもお茶を推進していましたし、牛乳よりもお茶のほうが人気でしたね。

今も実家では、姉も姪っ子も、お茶ばかり飲んでいます。食卓を囲んでみんなで飲むものであり、来客時に出すのも絶対にお茶。おもてなしの一部でもあるんです」

緑茶のティーバッグは使ったことがなく、お茶は必ず茶葉を使用。東京で暮らす今も、家族や地元の友人から送られてくるお茶を常備。新茶が出たらすぐに飲みたいということで、消費のスピードも早いそう。

「県内でも、お茶の浸透度には差があって。私は大学も静岡だったんですが、私の地元の浜松よりも、さらにお茶との関係が深い場所からも生徒が集まっていた。実家が茶農家だという友人から新茶をもらったり、お茶摘みに行ったこともあります。そんな状況に馴染みすぎていたためか、まったく特別感がなくて。

上京してはじめて、出身地の話から“お茶で有名な!”とお茶の話をよく振られるようになり、他とは違う環境だったのか、と認識したんです。静岡のスーパーマーケットのお茶コーナーがものすごく充実していたことも、上京してから気づきました