2020.06.09
# 北朝鮮

「新型コロナ鎖国」の北朝鮮が密かに進める新外貨獲得戦略とは

白頭山を「世界ジオパーク」登録申請中
伊藤 孝司 プロフィール

特別な存在の白頭山

白頭山は、中国との国境にある標高2744メートルの火山。山頂のカルデラ湖である天池(チョンジ)は、貯水量19億5500万立方メートル、最大水深384メートルと巨大である。

外国人が白頭山へ行くには、平壌空港から国内便に乗ってこの山の南東側の麓に位置する三池淵(サムジヨン)空港まで行く。この小さな地方空港を国際空港にするための改修工事が「韓国観光公社」などの支援で実施され、滑走路をコンクリートからアスファルトに変える工事も完了している。

改修前の三池淵空港(2012年4月撮影)

次に、空港からは小型バスで白頭山へ向かう。ここでは、ロシア製の馬力のあるバスが使われている。白頭山はなだらかな山なので、特別な許可があれば歩かずにこのバスで山頂まで登ってしまうことも可能だ。

山頂に向かうロシア製のバス(2017年8月撮影)

北朝鮮にとって「白頭山」は、極めて特別な場所である。金日成(キム・イルソン)主席が白頭山一帯での抗日パルチザン闘争を指導し、麓の原生林の中に設けた「白頭山密営」で金正日(キム・ジョンイル)総書記が生まれたとして「革命の聖山」と呼んでいる。

「密営」前で集会をする人々(2012年4月撮影)

現在の南北関係停滞の前の2018年9月20日には、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が南北首脳会談の最終日に金正恩(キム・ジョンウン)委員長と共に白頭山を訪れている。

「北南首脳が民族の象徴である白頭山に共に登り、北南関係の発展と平和繁栄の新時代に明確な足跡を残したことは民族史に特筆すべき歴史的出来事である」

金正恩委員長と文在寅大統領(「朝鮮中央通信」2018年9月21日)
 

このように「朝鮮中央通信」は報じている。「朝鮮民族の祖」と呼ばれている檀君(タングン)は、白頭山で生まれたとされている。韓国人にとっても白頭山は、「民族の象徴」として極めて重要な存在なのである。

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