コロナが可視化した日本の課題 「公平なネット接続」を生存権に!

「年収400万円の壁」を突き崩すには
西田 宗千佳 プロフィール

将来的に、5Gが一般的になれば、通信速度やコストの考え方にも変化が生じるだろう。

しかし、現時点では5Gはまだ、一部の地域どころか「一部の建物」で使えるにすぎない。少なくとも今は、「ネットを自由に使うなら、家庭内に固定回線があるべき」であるのは間違いない。

固定回線は不人気なのか Photo by PhotoAC

「固定回線」を引かない2つの理由

明白なメリットがあるにもかかわらず、固定回線を引いていない家庭が一定数、存在するのはなぜなのか。

理由は2つある。

 

1つはシンプルだ。インターネットの用途として「スマホでの通信」くらいしかない、という人が一定数いることだ。

特に若い単身世帯では、メインに使うIT機器はスマホというのが主流だろう。背景には、パソコンは持っていないか、持ってはいてもスマホによる「テザリング」などの一時的な利用で十分、という判断がある。

携帯電話各社が大容量プランを押し出している背景にも、一定数以上の人が通信回線をスマホに依存しており、より大容量な通信が求められるようになっている、という事情がある。

スマホでの通信で十分なのであれば、工事や面倒な契約を必要とする固定回線の導入に、積極的になれない理由もわかる。実際、「電話」ではすでに、固定電話回線をほとんど使わなくなっている。家に固定電話を置かないのであれば、その延長線上に「固定のインターネット回線を引かない」という判断があってもなんら不思議ではない。

安価な単身者向けアパートなどでは現在、「ネット回線完備」を謳いつつ、固定回線ではなくモバイルWi-Fiルーターを貸し出すところも出はじめている。

モバイルWi-Fiルーターがあれば十分、という人もいる Photo by PhotoAC

年収400万円の壁

もう1つの理由はなにか?

目を背けることができないポイントとして、「回線利用と世帯収入の関係」がある。

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