誤差「300億年で1秒」の光格子時計、何がすごい? どこに使う?

スカイツリーで時間の速さを計ったら
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光格子時計では、「魔法波長」と呼ばれる特別な波長を持ったレーザーを使って卵のパックのような原子の容れ物を作り、その中に原子を閉じ込めることでうまく原子を固定することができました。

その結果、セシウム原子時計の約100倍の精度が実現できたのです。

地震予測もできる

この時計は具体的に何の役に立つのでしょうか。

高低差のある場所での時間の進み方の差がわかるということから、逆の発想で、ある2つの地点の時間の進み方の差がわかれば、その2つの地点の高低差がわかりますよね。これを用いて、山などの標高を高精度で測ることや、地球の地殻変動を検出することができると言われています。

将来的には、地震などの自然災害の予測に役立つことも期待されています。より小型化が進めば、超高精度の自動運転など、私たちの日常生活にも役立つ技術に応用されるかもしれません。

もちろん、セシウム原子時計より高精度であるため、近い将来には1秒の新しい国際標準になるでしょう。日本の次のノーベル賞候補としても注目されています。

一般相対性理論などと聞くと近寄りがたい印象を受けるかもしれませんが、時計という私たちの生活に必要不可欠なものに関わるようになってきたということがわかれば、少しだけ身近なものに思えてこないでしょうか。

科学は地道に進歩し続けています。こんな時だからこそ明るいニュースにも目を向けて、少し先の未来に希望をもっていきたいですね。

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