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コロナ後の韓国・文在寅政権が「無理筋な対日強硬策」を連発する理由

一見、勝算はなさそうだが…

WTO提訴再開に徴用工訴訟

「極めて遺憾だ」。3日、茂木敏充外相は韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相との電話協議で、厳しい口調でこう伝えた。日本による半導体などの素材3品目の韓国への輸出管理強化をめぐり、韓国が世界貿易機関(WTO)への提訴手続きを再開するとした、韓国産業通商資源省の発表についての怒りだった。

韓国産業通商資源省は5月、日本が求めていた輸出管理体制を巡る法整備や人員強化が終わったとして、日本に対し、同月末までに措置を解除するのかどうか回答してほしい、とする立場を明らかにしていた。

だが、同省と日本の経済産業省との実務者協議で行われていたこのやりとりは、外交協議には発展していなかった。「回答しないなら、WTOへの提訴を再開する」という事前通告もなかった。それが、茂木氏の発言が単なる「遺憾」ではなく、「極めて遺憾」という表現になった理由だった。

 

そして韓国では6月3日までに、韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金(現日本製鉄)に賠償を命じた徴用工訴訟で、大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支部が、同社に資産差し押さえの通知書類が届いたとみなす公示送達の手続きを取ったことが明らかになった。8月4日に効力が発生するという。

茂木外相は3日の日韓電話協議で、「深刻な状況を招くため、(日本企業の資産が現金化される事態は)避けなければならない」とも訴えていた。

その一方で、韓国内で起きたこれらの新たな動きについて、日本政府関係者らは一様に首をひねった。関係者の1人は「何かこれで韓国が有利になったのだろうか」と言う。

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