習近平の大誤算…いよいよ香港から「人」も「カネ」も大脱出が始まった!

中国経済の「致命傷」になる可能性も…
福島 香織 プロフィール

習近平の「肝いりプロジェクト」

6月1日に「海南自由貿易港建設総体案」として発表された計画は、2018年4月に習近平が海南省を訪問した際の重要演説で打ち出した海南省自由貿易港建設計画に続く初の綱領性文書で、この中に経済特区として将来的発展の道筋が説明されている。

これは習近平が「自ら計画し、配置し、推進した」肝いりのプロジェクト。「海南省に自由貿易港を建設することは党中央が国内、国際の二つの大局を見ながら、中国の特色ある社会主義のイノベーションを発展させるための一つ重大な戦略的政策決定である」と述べている。さらに大局から出発して、海南の大胆な改革イノベーションを支持する、という。

 

この総体案の第一の特徴は、海南自由貿易港の実施範囲を海南島全域とするというもの。いわゆるフリーポートシティだ。2025年までに、貿易・投資の自由区を自由貿易港政策制度システムの重点に置いて整備する。今世紀中葉には、海南島を全面的な国際影響力のある高水準の自由貿易港とする、という。

注目される表現は、デジタル権利確認、デジタル貿易、デジタルセキュリティおよびブロックチェーン金融の基準、規則の整備を行う、という点だ。

中国が今のドル基軸体制に挑戦するためにブロックチェーン技術をつかったデジタル人民元を法定通貨としようとしており、江蘇省蘇州や広東省深圳、雄安新区、四川省成都、北京郊外など5か所でテスト運営していることは既報の通りである。そこへきて、この「総体案」からは、海南自由貿易港区をオフショア人民元センターとして、国際化の重要な橋頭保にしたい考えが読み取れる。