習近平の大誤算…いよいよ香港から「人」も「カネ」も大脱出が始まった!

中国経済の「致命傷」になる可能性も…
福島 香織 プロフィール

沈みかけた船

米企業はおよそ1300社、香港在住米国人8.5万人でほとんどが重要な金融機関か金融関連業務に従事している。金融センターとしての香港がほとんど絶望的であるとして、今後、この割合は増えていくだろう。香港の陳茂波財政長官は米国の制裁など恐れるにたらず、香港には中国がついている、香港ドルと米ドルのペッグ制は揺らがない、と自信を見せるが、庶民たちは手持ちの香港ドルの米ドル換金を急いでいる。香港の換金ショップで米ドルが枯渇する現象も起きている。

香港では今後、住民によるデモが過激化する可能性もあり、それに対する武力鎮圧の恐れもでてきた。政治難民が大量に出るだろうし、また運動に参加する学生たちが鎮圧対象だから頭脳も流出する。中国が方針を変えない限り、人と金が、沈みかけた船から鼠が逃げ出すように流出するだろう。

米中対立を西側社会の自由主義価値観と中華式全体主義価値観の対立と私はざっくりとらえているが、その衝突によって香港は瓦解していくのだ。

金融機関の動向も注目される photo/gettyimages
 

国際金融センターの香港の代わりとして筆頭に挙げられているのがシンガポールで間違いないとは思われるが、ではフリーポートの役割はどこが引き継ぐのだろう。同じ自由港都市のシンガポールも有力だが、距離がこれだけ離れていて代替が可能なのか。香港の貿易取り引きの54%が中国相手。香港は中国にとってのフリーポートなのだから、中国と地政的に距離があるシンガポールは不便だろう。

そこで中国が6月1日に発表した海南自由貿易港建設計画がにわかに注目されているのだ。中国としては、海南島に香港に代わる戦略的地位を与えようとしているのではないか、という見方が浮上している。