コロナショック後の「急速な株価回復」、一体何が起きているのか?

実体経済と株価が大きく乖離する理由
近藤 駿介 プロフィール

NYダウ、ナスダック総合が共に今年の最安値を付けたのは、FRBが特定の社債や地方債にまで買入資産を拡大することを柱とした資産買入プログラムの大幅強化を発表した3月23日だった。

FRBが2週間足らずの間に政策金利を1.5%も一気に引き下げゼロ金利政策を復活させたことにも反応しなかった株式市場だったが、資産買入プログラムの大幅強化が発表された翌日の24日にNYダウは2000ドルを上回る大幅な反発を見せた。

それは、市場が懸念していたのが「景気不安」ではなく「信用不安」だったことの証左でもある。FRBの資産買入プログラムの大幅強化は、FRBが「信用不安」解消に動き出したことを市場に伝えるためのメッセージだったのだ。

しかし、資産買入プログラムの大幅強化は「信用不安」対策の序章に過ぎなかった。クライマックスが訪れたのは4月9日だった。

FRBは中小企業や地方自治体を支援する融資プログラムを拡充すると共に、既発のCMBS(商業用不動産担保証券)と新発CLO(ローン担保証券)、そして投資適格から非投資適格に格下げとなる「堕天使債」までも買い入れ対象を拡大するという、資産買入プログラムの追加強化策を打ち出したのだ。

「これまでのパウエルFRB議長の発言と今回のローゼングレン総裁の発言から想像されることは、FRBは、民間金融機関が保有するCLOをFRBが買上げることで「経済危機」を「金融システム」から切り離す計画を持っているということだ」(現代ビジネス「新型コロナ『世界同時株安』最もヤバいのは『日本人の年金』の可能性」
ローゼングレン氏〔PHOTO〕gettyimages

筆者は3月初めにボストン連銀ローゼングレン総裁の発言からFRBがCLO買入に動く可能性があると考えていた。

買入対象が「新発CLO」になるなど筆者の想定とは若干異なる部分はあったが、FRBが「経済危機」を「金融システム」から切り離しにかかったことは期待通りのものだった。

 

実態経済か金融市場か

コロナ不況とリーマン・ショックとの大きな違いは、最初に火の手が上がったのが「メインストリート(実態経済)」だったか「ウォールストリート(金融市場)」だったかである。

リーマン・ショックの時は「ウォールストリート」から火の手が上がったのに対して、今回のコロナ不況で最初に火が付いたのは「メインストリート」だったのだ。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/