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コロナショック後の「急速な株価回復」、一体何が起きているのか?

実体経済と株価が大きく乖離する理由

史上最高値更新も見えてきた

誰がこれだけの急速な株価回復を想像できただろうか。

6月5日のNY株式市場はNYダウが829ドル高、率にして3.15%もの大幅高を演じ、一気に27,000ドル台を回復してきた。終値は27,110.98ドルと、3月23日に記録したコロナショック後の安値18,591.93ドルからの上昇率は45.8%に達した。

ナスダック総合も同日200ポイント近い上昇を演じて9,800ポイント台を回復してきた。こちらの終値は9,814.08ポイントと2月19日記録した史上最高値9,817.18ポイントまであと3.10ポイントと、完全に史上最高値更新を射程に捉えた格好になった。

5日の米国株式市場が急騰したのは、雇用統計で3月に2070万人という過去最大の減少を記録した非農業部門雇用者数が市場予想に反して250万人も上昇に転じたことが明らかになったからだ。

とはいえ、2020年に入ってからの雇用者数は累計で約1,850万人減少している現実に目を向けると、米国株式市場の動きは実体経済からかけ離れて強過ぎるともいえる。

 

「ニューノーマル」がもたらすもの

確かに足元の株式市場の動きは実体経済と比較して強過ぎるように見える。しかし、実体経済と株価の動きが乖離するというのは「ニューノーマル(New Normal;新常態)」によるものだと考えるべきだろう。

さらにこの「ニューノーマル」は、新型コロナウイルスによって新たに生み出されるものではなく、リーマン・ショックを契機に芽生え、トランプ大統領誕生前後から成長してきたものが、新型コロナウイルスの影響によって一気に顕在化してきたものである。