6月 9日 「エレキギターの父」レス・ポール生まれる(1915年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1915年のこの日、米ウィスコンシン州でレスター・ウィリアム・ポルスファス(Lester William Polsfuss、1915-2009)が誕生しました。

 

のちに「レス・ポール」の名前でギタリストとして活躍し、その名を冠したエレクトリック・ギター「ギブソン・レスポール」を生み出した人物です。

レス・ポール(1940年撮影) Photo by Getty Images

幼少期から音楽好きであった彼は、8歳からハーモニカをはじめたのを皮切りにピアノ、ギターに才能を発揮。さらに10代の前半で、ギターを弾きながらハーモニカを奏でることのできるハーモニカホルダーを自作。発明家としても早くから結果を残しています。

ハーモニカホルダーを使用してみせるレス・ポール(1936年撮影) Photo by Getty Images

1936年のレコード・デビューより正式に「レス・ポール」を名乗るようになった彼は、早くも1941年にエレキギターを自作。ミュージシャンとしても活躍し、ボーカルのビング・クロスビーと組んだ「イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム」で1945年に全米1位を獲得しています。

レス・ポールは高いテクニックでギタリストとして数々のヒット曲に携わる一方、さまざまな音楽機器の開発を手がけていきます。1948年には世界初の多重録音によるレコードを発売しました。

そして彼の名を伝説としたのが、音響用の空洞を持たないソリッドモデルのエレキギターです。一枚板で作られたソリッドギターは生音でのボリュームは大きくありませんが、エレキギターとして演奏することでハードなサウンドも多彩なエフェクトも可能となったのです。

レス・ポールは1940年代の前半には自作のソリッドギターを大手ギターメーカーのギブソンに持ち込んでいましたが、まったく相手にされなかったといいます。

ところが新興のフェンダーが1950年から世界初のソリッドエレキギターを発売。1951年よりテレキャスターとして売り出されたモデルが大ヒットします。これにショックを受けたギブソンは、レス・ポールに声をかけてソリッドエレキギターの共同開発に着手。

フェンダー・テレキャスター(1952年モデル) Photo by Getty Images

こうして、1952年にロックのアイコンとなるギブソン・レスポールが誕生するのです。

ギブソン・レスポール(1958年モデル) Photo by Getty Images

このギブソン・レスポールを手にした数々のロックミュージシャンが活躍し、音楽シーンを革新していきます。一方で、主にジャズギタリストとしてキャリアを重ねていたレス・ポール自身はロックに押されて徐々に人気を失っていき、1970年代には一時引退状態となりました。

それでもレス・ポールは毎週ニューヨークのジャズ・クラブでステージに立ち、5度のグラミー賞にも輝きます。2007年にはその半生が「レス・ポールの伝説」として映画化されました。

2005年、90歳の誕生日を祝うイベントでサインに応じるレス・ポール Photo by Getty Images

2009年に94歳で死去しますが、その直前までステージで演奏を続けたレス・ポールは、まさに生ける伝説として音楽界に君臨し続けたのです。

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