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マイナンバーの「落とし穴」…「ひも付け」義務化で切り捨てられる人たち

給付金がマイナンバー推進の道具と化す
竹信 三恵子 プロフィール

マイナンバーで「漏れる人たち」

これに対し政府は、個々の家族あてより世帯主に通知する方が郵送費を抑えられ、世帯主がまとめて申請した方が手間を省けると説明している。

だが、それなら、「受給権者」を世帯主にする必要はなく、「世帯主が代行できる」としておけばすむ。実際、選挙の際は、家族全員分の投票通知書が世帯主あてに郵送されるが、投票用紙は投票所で個人別に交付されている。そうした方法も可能なはずだ。

今回は、「便利」を理由に「受給権者」の文言を入れた結果、非世帯主の権利があいまいになり、世帯主の専有に悩む女性や若者、非虐待家族の「不便」を生んでしまったことになる。

加えて、マイナンバー制度には、住居を失ったり住民登録地以外で生活したりしている本当の弱者の把握には役に立たないという欠陥がある。この制度は、住民登録している人を対象にとしているため、もっとも手を差し伸べる必要がある居所喪失者などは対象から漏れてしまうからだ。

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マイナンバーは様々な情報に紐づけされていることが不安を招き、個人情報漏れをめぐる訴訟も起きている。

2019年9月26日の横浜地裁判決では合憲とされたものの、情報漏れの多発を受け、「制度の運用に伴う弊害防止に向けた不断の検討を継続し、必要に応じて改善を重ねていくことが望まれる」と、国に一応のクギを刺した。