# 新型コロナウイルス

マイナンバーの「落とし穴」…「ひも付け」義務化で切り捨てられる人たち

給付金がマイナンバー推進の道具と化す
竹信 三恵子 プロフィール

そこで出てきた「マイナンバー促進論」だったが…

こうした批判を背景に登場したのが、「個人や弱者に支援を届けるためにマイナンバーの強化が必要」とする、新手のマイナンバー促進論だった。

自民党の稲田朋美議員らによる女性議員の会が5月8日、党に「給付迅速化のためのマイナンバー活用拡大の要望」を提出し、「コロナ対策のための適切な支援を個々人について個別的に判断する」ことができるよう、納税情報などの紐づけを提案。

メンバーの一人、自民党の松川るい議員も11日付の同議員のブログで、「給付迅速化のため(だけじゃない)のマイナンバー抜本的加速」と題して、「マイナンバーによる個人給付の迅速化はシングルマザーやフリーランスや貧困層など『弱者』にこそ恩恵がある」と、推進論を展開した。

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理由として松川議員は、現時点においてはマイナンバーと振込口座情報が紐づけされていないため、本人からの申請というステップを経ないでは支援金を送ることができないこと、マイナンバーが納税情報とも紐づけられていないため富裕層を含めた一律給付しかできず、低所得層への手厚い支援ができないことなどを挙げている。

つまり、マイナンバーを強化すれば弱者の手元に迅速に給付金が届き、富裕層を割り出して困窮層だけに支援を集中できる、という論理だ。

だが、ここにはいくつかの見落としがある。