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# 新型コロナウイルス

マイナンバーの「落とし穴」…「ひも付け」義務化で切り捨てられる人たち

給付金がマイナンバー推進の道具と化す

突然出てきたマイナンバー「ひも付け」義務化計画

自民党が、マイナンバーの銀行預金口座などへの紐づけの義務化へ向け、今国会にも議員立法を提出するという。

理由の一つとして挙げられているのが「コロナ対策の給付金が個人や弱者に迅速に届く仕組みづくり」だ。

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背景に、一律10万円の特別定額給付金の受給権者が「世帯主」とされ、「世帯主以外の女性や弱者、個人に届かない」との批判が高まっていることがある。

そうした声への対応策としてマイナンバーの強化が持ち出された形だが、マイナンバーは本当に女性や社会的弱者を救うのだろうか。

そもそもコロナ災害をめぐる給付金では、当初、世帯主の損失の度合いを基準に1世帯30万円案が発表された。だが、これでは共働き家庭の損失が反映されにくいなどの批判が出て、一人当たり10万円の個人ごとの給付金となった経緯がある。

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ところが総務省ホームページで、「給付対象者は(基準日に)住民基本台帳に記録されている者」とする一方、「受給権者は、その者の属する世帯の世帯主」として、申請も受け取る権利も世帯主にあると書かれていたことから、波紋が広がった。

これでは世帯主以外は受け取れないという声が上がり、DVや児童・高齢者虐待から逃げている被害者については、支援団体の申し入れによって、本人が受け取れるとする通知が出された。また、親による専有を心配してか、文科省が大学や教育委員会に対し、学生に支給を知らせるよう促す通知も出された。

だが、同居の非世帯主たちはそうした特例措置の外に置かれ、特に女性たちから不満の声が上がった。「世帯主」とは生計を同じくする集団の代表者にすぎず、女性でもなれる。だが、国民健康保険法の世帯主は「主として世帯の生計を維持する者」と定義されていることもあり、男女の賃金格差が大きい現状で、世帯主の9割以上が男性だからだ。