マンション大暴落は起こるのか…コロナショック「3つのシナリオ」

暴落説から暴騰説まで徹底検証する
山下 和之 プロフィール

中古マンションはジワジワと下がり始めている

というのも、マンション価格の先行指標といわれる中古マンション価格は、図表3の折れ線グラフにあるように、このところ明らかな右肩下がりになっているのだ。

図表3 首都圏中古マンション成約価格と前年同月比の推移
(資料:東日本不動産流通機構『月例マーケットウォッチ』)

首都圏の中古マンション価格は、2013年から2019年まで7年間、ジワジワと上がり続けてきたが、ここへきて変調を来している。2020年3月には前年同月比が±ゼロとなり、4月は5.8%の下落を記録した。

中古マンションの売り主のほとんどは個人だから、新築マンションの大手企業と違って、売れなければ売れるまで待つという資金的なゆとりがあるわけではない。

コロナショックのような事態におののき、本格的な下落の前に売り抜いたほうがいいのではないかということで、多少の値引きに応じても売却しようとする売り主が増加しているのではないだろうか。

 

その意味では、マンション市場はまず中古マンションから値下げが始まり、ある程度値下げのトレンドが続けば、新築マンションもやがては下げざるを得ない情勢が形成されることになるのかもしれない。

暴落というほどの下がり方ではなく、中古主導のゆるやかな低下が始まる――それが冒頭に触れた三つの説のうちの(2)ということだ。