ラグビーチームの人数はなぜ15人?

人間の脳の大きさには、実は集団規模が関係しています。チンパンジーとの共通祖先から分かれた約700万年前から長らくの間、人間の脳は小さいままでした。この頃の集団サイズは10~20人くらいと推定されています。これはゴリラの平均的な集団サイズと同じ。言葉ではなく、身体の同調だけで、まるで一つの生き物のように動ける集団の大きさといえます。

サッカーが11人、ラグビーが15人など、スポーツのチームを考えるとわかりやすいでしょう。これは、皆さんが、互いに信頼し合っておしゃべりをする友だちの数、2ページで言及した(1)に当たります。200万年前、脳が大きくなり始めた頃の集団サイズの推定値は30~50人程度。ちょうど先生一人でまとめられる一クラスの人数ですね。日常的に顔を合わせて暮らす仲間の数、誰かが何かを提案したら分裂せずにまとまって動ける集団の数です。

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その後、人間の脳は急速に発達します。今から約60~40万年前には、ゴリラの3倍程度の1400ccに達し、現代人の脳の大きさになりました。そして、この大きさの脳に見合った集団のサイズが、100~150人。これが前述の(2)に当たる数です。

これは、ロビン・ダンバーというイギリスの人類学者が、人間以外の霊長類の脳の大きさと、その種の平均的な集団サイズの相関関係から導き出した仮説に基づく数字です。ダンバーは、平均的な集団サイズが大きければ大きいほど、脳に占める大脳新皮質、つまり知覚、思考、記憶を司る部分の割合が大きいことを明らかにしました。

そして、現代人の脳の大きさに見合った集団の人数を示す、この「150」という数字は、実に面白い数字であることがわかりました。文化人類学者の間で「マジックナンバー」といわれているのはそのためです。