# 新型コロナウイルス

習近平がほくそ笑む…米国「WHO脱退」で中国がますます巨大化していく!

トランプ大統領は強気姿勢だが
夫馬 賢治 プロフィール

では年次総会で決議されたWHO改革とは何だったのか。決議文を読むと、「WHOの組織的な対応の実効性、実際にWHOがとったアクションやスケジュールが適切だったかについて得られた知見を適切な早いタイミングで振り返ることを国連事務総長に要求する」と書かれている。

この内容からは、WHOが中国寄りの判断を行ったという政治的な思惑をチェックするというような雰囲気は読み取れず、活動内容をしっかりと事後に振り返っておこうという一般的な内容しか盛り込まれなかった。

しかも、この決議案は、80ヶ国以上の共同発議であり、日本も中国も一緒に提案国に名を連ねている。この一般的な内容しか書かれていない決議にわざわざ反対する国は出なかっただろう。この可も不可もない決議をもって、メディアは「WHOは検証が迫られることになった」と煽ったともいえるだろう。

 

WHOの「真実」

それでは、あらためて、WHOは中国での感染拡大後から今まで何をしていたのだろうか。この最も重要と言われる部分についてはほとんど紹介されることはない。

最近「製薬会社の方が研究開発能力は高く、WHOは不要だ」という意見も出ている、それは見方が正しくない。そもそもWHOは研究開発機関ではなく、研究開発では官民の研究を促進することが業務だからだ。

例えば、検査薬、治療薬、ワクチンの開発では、2016年にエボラ出血熱やラッサ熱、MERS、SARSなど7種の感染症を重要感染症と位置づけ、世界各国の官民の研究機関や製薬会社の情報を一元的に集約し、相互の研究開発が加速するような対策を開始していた。

今回のパンデミックでも、新型コロナウイルスは8つ目の重要感染症として位置づけられ、各国でのワクチンや治療薬、検査薬の開発が加速。その結果、異例のスピードで次々と既存薬の臨床試験や新薬の開発が進められることとなった。これはWHOの活動の大きな成果と言っても過言ではない。

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