# 新型コロナウイルス

習近平がほくそ笑む…米国「WHO脱退」で中国がますます巨大化していく!

トランプ大統領は強気姿勢だが
夫馬 賢治 プロフィール

「米孤立」で中国の存在感はますます大きくなる…

そもそも国連とは、資金力のある先進国のために活動しているのではなく、資金力や統治能力が不十分な発展途上国向けのプログラムを運営するために、むしろ先進国が資金を負担するという建て付けになっている。

そのため、国連という舞台ではそもそも、発展途上国寄りのスタンスをとる中国に有利な状況を生み出されやすい。トランプ大統領がWHO批判を繰り広げるほど、発展途上国のマインドは離れていき、アメリカが孤立していくという構図になってしまうのだ。

本件のように、アメリカや中国が絡む国際政治の話になり、さらに実態があまり知られていない国連まで絡む話になると、憶測や希望的観測での解釈が横行してしまう。そこで、まず4月以降の状況をきちんと事実ベースでおさらいしておこう。

 

まず4月の時点でトランプ大統領も要求したWHO改革の議論はどうなったか。5月18日から2日間開催されたWHOの「世界保健総会」は、WHO改革のテーマも扱われ、日本のメディアも大きく報じた。そこでは、「中国がWHOに圧力をかけたと見られるコロナ対応の初動について検証することが決まった」と解説されていたのだが、実際はかなりトーンが違う。

世界保健総会とは、年に1回開催されるWHO全194加盟国が集まる最高意思決定機関のこと。毎年5月は総会開催の時期なので、今年はオンライン会議とはなったが、たまたまこのタイミングで開催されたのだ。別にアメリカの要求でこの会議が開催されたわけではない。

テドロス・アダノムWHO事務局長 photo by Gettyimages

総会では、194加盟国が平等に一票を持ち、WHOの前年の活動報告がなされるとともに、新年度(WHOは2年制)の予算や活動内容等を確認、決定するというスタイルを採っている。当然そこでは、最近世論からの評判が良くないテドロス・アダノム事務局長が、WHO執行部を代表して今年も状況を説明し、次年度の予算や活動内容の決裁が粛々と採られていった。

唯一アメリカ政府だけは、30日以内にWHOの独立性に大きな改善が見られなければ、資金拠出を停止し、脱退も辞さない姿勢を示したことだけが例年との違いだった。

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