6月3日にロサンゼルスで行われたデモ〔PHOTO〕Gettyimages

日本人の私も差別を経験してきた…デモ止まらぬアメリカ「分断の現実」

今の「戦争状態」の背景にあるもの

「戦争地帯」という言葉が飛び交う

アメリカでは「市民戦争」が始まったのではないか。

連日のように上空をヘリコプターが飛び交い、テレビをつければ、各地で警官とデモ隊が対立している光景が映し出されている。

私が住むカリフォルニア州サンタモニカでも、5月31日、大規模な抗議デモが起きた。デモ自体は平和的なものだったが、デモに乗じて、悪徳集団がショッピングモールや店で略奪行為を働いたり、器物破壊や放火を行なったりした。

5月31日、ロサンゼルスで行われたデモ〔PHOTO〕Gettyimages
 

今、こんな光景が、全米各地で展開されている。

ホワイトハウス前は特に悲惨な状況だ。警官が投げた催涙弾やペパースプレーから出た白煙が通り一面に広がり、そんな警官にデモ隊は投げられたペパースプレーを投げ返したり、花火を投げたりして応戦している。警官が放ったゴム弾を受け、負傷したと泣き喚く市民。全米で死傷者の数は増えて行く一方だ。

「抗議デモ」などという甘い表現で済む状況ではない。「暴動」も通り越し、ニュースでは「War Zone=戦争地帯」という声が飛び交うようになった。

事の発端は、今、世界中で大きな波紋を呼んでいる、ミネソタ州ミネアポリスで起きた黒人暴行死事件である。白人警官に膝で首を押さえつけられて亡くなった黒人男性ジョージ・フロイドさんの動画は目を覆いたくなるほど痛ましい。動画の時間は8分46秒。白人警官はフロイドさんの動きが止まり、声を発しなくなった後も、さらに3分間も首を押さえ続けたのだ。悪意があったとしか思えない。

膝で首を押さえたのはデレク・ショビン。ショビン以外に、現場には3人の警官がいたが、彼らもショビンの行為を止めに入ることはなかった。

「息ができない、ママ」

脈拍が失われていく中、フロイドさんは最期に母を思った。