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アメリカ大暴動、混乱の中心にある「トランプのツイート」そのヒドさ

日本人には想像を絶する荒唐無稽ぶり

スーパーパワー・アメリカの鬱屈

大統領選挙を控えたアメリカが、暴動や略奪の頻発で揺れております。

暴動についてのいろんな報道を見てるだけで、なんか怖いんですよね。

「アメリカは終わった」とか「黒人に対する根深い人種差別が」とか「中国による分断工作で煽られたアメリカの反体制派が」とか「韓国人経営者の商店が襲われるのは現地でも韓国人が嫌われているからだ」とか、などなど。もちろん、一つひとつの現象には必ず当事者がいて、そうなった理由があります。

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単に、アメリカで暴動と言っても、そこに集まった100万人のアメリカ人たちや警察官たちには100万個、すべて違う人生があり、立場や考え方に基づいて生きているということも考えたうえで、この事件について是非見ていただきたいと思います。

読み解くひとつの鍵として、最近出た2冊の本をお薦めしておきます。これを通読してアメリカ絡みの事件を見ると、等身大のアメリカ人と社会、そして悩めるアメリカ政治のありのままの姿を知る補助線になるでしょう。

『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』(渡辺由佳里・著)
『グローバル資本主義VSアメリカ人』(篠原匡・著)

アメリカは超大国であり、優れた社会システムを持つ強靭な国家である反面、その力の源泉とは海外からアメリカの自由や理想を慕ってやってくる優れた頭脳です。自由を求めて、各国から勝手に優秀な人がアメリカに来るから、アメリカは強いんですよね。

これがアメリカの技術や科学の先進性を担保して、世界的な産業や技術に支えられた強大な軍事力で他国の追随を許さず、冷戦に勝利した後はスーパーパワーとして君臨してきました。

その一方で、忘れられたアメリカでは付加価値の低い産業に従事する白人がラストベルトという錆びついた工業地帯でひっそりと暮らし、貧困に喘ぐ黒人やヒスパニックはメキシコ国境や古いアメリカの都市で危険な仕事や売春のようなあまり誇れない仕事に従事しているという現実があります。

アメリカンドリームと言えば聞こえはいいけれど、アメリカ社会が目指す価値や、経済の繁栄から取り残されたアメリカ人が抱える閉塞感や鬱積は、コロナウイルスのような感染症のみならずまともに医療に罹れないほど無防備に暮らし、また、今回のように警官による理不尽な取り締まりで命を落としてしまう罪のない黒人が出ると、溜まった鬱積は簡単に暴動に発展してしまう。

 

いみじくも、トランプさんと喧嘩して国防長官辞めちゃったマティスさんが言ってましたが「トランプさんはアメリカ社会を分断するようなことをするな」と批判するのも、そういうアメリカの強さと裏返しの落差、分断ってのが弱点にもなっとるからです。