ビジネスマン必修、厄介な相手を思いのままに動かす「スゴい法則」

あの大物政治家も使ったワザとは
木村 和美 プロフィール

【2】That book conveyed the facts more vividly, more interestingly, more impressively, than days of figuresand mere talk could have done.

その本は、ただ数字や談話を並べるよりも、生き生きと、面白く、そして印象深く、事実を伝えたのだ。

【3】Experts in window display know the trenchant power of dramatization. For example, the manufacturers of a new rat poison gave dealers a window display that included two live rats. The week the rats were shown, sales zoomed to five times their normal rate.

ショーウインドウの専門家は、演出の大きい力を知っている。たとえば、新しい殺鼠剤を製造した会社は、取り扱い店のショーウインドウに2匹の生きたネズミを入れることにした。ネズミがショーウインドウに入れられた週は、売り上げが通常の5倍になったのだ。

【4】I was presenting the same facts this time that I had presented previously. But this time I was using dramatization, showmanship̶and what a difference
it made.

今回も前回と同じ事実についてプレゼンテーションをした。でも今回は、演出効果とショーマンシップを考えてやり、そのことで大きな違いが出たのである。

 

小泉劇場に見る、カーネギー的「演出効果」

このカーネギーの法則は、どのように活用することができるでしょうか。例えば通販番組の「使用前」と「使用後」のように、その演出効果は私たちもよく目にするところです。その違いを視覚的にはっきりと見せることで、言葉で説明するよりもずっと大きな効果を確信してもらうことができます。

スピーチの名手とされる第44代米大統領のバラク・オバマは、覚えやすくインパクトのある言葉やフレーズを繰り返し使って聴衆の心を巧みに摑みました。アメリカに必要な"Change"をキーワードとして用い、"Yes, we can."などのスローガンを効果的に使ったのです。彼なりの政策やビジョンを簡単に、そしてドラマチックに伝えて国民に訴えかけた戦術は、まさしく演出効果を狙ったものでした。

国内外を問わず、政治家の活動には演出がつきものです。日本の政治の世界でも、2001 年から3期にわたって内閣総理大臣を務めた小泉純一郎氏は、小泉劇場と言われた劇場型の政治手法を駆使して国民の心をとらえました。

社会学者の藤竹暁さんによれば、自らのパーソナリティーを前面に押し出し、政策を「賛成か反対か」などと単純化、そして毎日の首相の言葉と行動がテレビニュースの素材になるよう演出して話題を作り、国民に政治を身近に感じさせたのが、小泉劇場の特徴でした。自分の政策を劇としてわかりやすく国民に見せ、政治というものを演出したという点では、カーネギーの言う演出効果が十分に意識されたものと言えます。

演出によって説得力を持たせる、というカーネギーの法則は、ビジネスはもちろん、私たちの日常生活や政治の世界でも大いに活用されているのです。