ビジネスマン必修、厄介な相手を思いのままに動かす「スゴい法則」

あの大物政治家も使ったワザとは
木村 和美 プロフィール

もともと英語が専攻ではなかったり、将来、仕事で英語を使う機会がなかったりする学生が履修している英語の授業では、英語に加えて、将来、役に立つ何かを学ぶことができ、「あのクラスをとってよかった」と思ってもらいたいという願いもありました。

結果的に、学生たちからは英語の読解力をつけるのに役立っただけでなく、大学生活の中で、また卒業後、実際の社会の中で活用できるコミュニケーション術や、対人関係スキルを学ぶことができた、とポジティブなコメントをもらってきました。

彼ら/彼女らも、カーネギーのアドバイスを、自分たちの生活や職場にうまく応用して、役立てているようです。そのように前向きに受け止めてもらえたことをきっかけに、英語力を磨くだけでなく、人と付き合うためのヒントになればとの思いから、『英語で学ぶ カーネギー「人の動かし方」』の刊行に至った次第です。

 

本書では日常生活で役立つカーネギーの38の法則を収録していますが、今回は「相手に納得してもらうための法則」を1つ、ご紹介します。それは、「考えをドラマチックに伝える」という法則です。

法則:Dramatize your ideas.(自分の考えをドラマチックに伝える。)

ビジネスには「演出」が必要である

人を説得する時、自分の考えを明確かつ論理的に説明することは大事ですが、ただ理屈を並べ立てるだけでは、相手もなかなか納得できなかったり、いまひとつピンとこなかったりすることがあります。

そういう場合は視覚をはじめとする五感に訴え、その効果を実感できるようにすると効果的です。そのためには、その考えを脚色したり演出したりすることも大事なのです。

ワッツの評伝によると、カーネギーは若い頃から自分をどのように見せるかが"成功のカギ"となることに気がついていて、ビジネスで成功するには「演技が上手にならなければならない」と、ビジネスにおけるショーマンシップの重要性を実感していました。

これは彼が、若い時に入学したニューヨークの演劇学校での勉強やトレーニングに影響されたからだと考えられます。この時の経験が土台となって自己表現の仕方の重要性を認識し、この法則が生まれたとも言えます。またその後、カーネギーは巡回興行のちょい役として舞台に出たり舞台監督の助手をしたりした経験からも、演出の効果を実感しています。

ではカーネギーは、この「考えをドラマチックに伝える」という法則について、どのように語っていたのでしょうか。原文を読んでみましょう。

「事実は、ドラマチックに見せる必要がある」

【1】This is the day of dramatization. Merely stating a truth isn’t enough. The truth has to be made vivid, interesting, dramatic. You have to use showmanship. The movies do it. Radio does it. And you will have to do it if you want attention.

今は演出の時代である。単に事実を語るだけでは十分ではない。事実は、生き生きと、面白く、ドラマチックに見せる必要がある。ショーマンシップを見せなくてはならない。映画もやっているし、ラジオもやっている。だから、もし注目されたければ、あなたもそれをすることだ。