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数学に強い人は「音にも敏感」ということが判明

カギは「空間認知能力」

202人の学生を対象に調査

イタリア・パドヴァ大学のPeter Kramerは博士らが、PLoS ONEに発表した研究で、音の持続時間を把握、推定する能力が高い人は、数的知能が高いことが明らかになりました。

博士らは合計202人の学生(男女同数・平均年齢22歳、聴覚に異常なし)を対象に、音の持続時間を当てさせるテストと、算数・数学能力のテストを実施し、能力になんらかの関係があるのかどうかを調査しました。

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音の持続時間を推定する能力を調べる実験内容は、0.1秒、0.2秒、0.5秒、1秒、3秒、以上5種類の持続時間を持つ音を、ランダムな順序で複数回被験者に聞かせて、被験者に聞いた音の持続時間を答えさせるというものでした。

次に被験者にウェクスラー成人知能検査の算数能力を検査する部分を実施して、被験者の数的知能を測定しました。この検査には算数の暗算能力以外に、数字を3個から9個まで順番に記憶して答える課題、と2個から8個まで逆順に答えさせる数唱課題があり、被験者の短期記憶能力も測定されました。

 

また検査とは別に被験者は自分の算数・数学能力を0から10までの(0がまったくダメ、10は絶対の自信ありとして)、どのランクに当たるか自己申告させられました。

実験結果を分析した結果、音の長さを推定する能力が高い人は、知能検査の数的知能も高く、また自己申告の数学能力も高いことが明らかになりました。そして短期記憶能力の違いを調整してデータを分析しても、この関係は変わりませんでした。

博士らはこの結果から、音の持続時間を推定する能力は数的知能と同様に空間認知能力に関係している可能性が高く、音の持続を推定する能力を鍛えることで数的能力を向上させることが期待できるのではないかとしています。