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コロナショックで、日本の「都市計画」「まちづくり」はこう変わる

コンパクトシティのゆくえ

2020年4月7日に緊急事態宣言が出されてから40日余りが過ぎた。5月25日付けでで宣言が解除された。まずは第一波がおさまりそうだ、というのが多方の見立てであろう。

いま検討しなくてはならないことは、ここ数ヶ月の経験や教訓をもとに、次なる第二波、第三波にどう備えるのか、そして(あまり考えたくはないが)これからも不規則に発生するかもしれない未知の感染症にどう備えるのかということである。

本稿ではこの「次への備え」に向けて、社会の仕組みをどのように組み換えていくのか、筆者が専門とする都市計画の視点から考えていきたい。

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都市の成長からマネジメントへ

都市の急速な拡大成長が終わり、成熟都市という言葉が使われるようになってどれくらいが経つだろうか。日本全体の人口減少も10年以上前に始まった。もう日本の都市は「つくる」時代から、すでにつくられた都市を管理する「マネジメントの時代」に入っている。つまり感染症に強い都市を新しくつくるのではなく、出来上がった都市の空間の使い方を変えることが感染症対応にも望ましいということである。

COVID-19による経済悪化の影響をうけて、近年の「都市を新しくつくる」ことの象徴であったカナダ・トロントのGoogleスマートシティのプロジェクトが断念された、というニュースも聞こえてきた。おそらく、このことは世界の都市に共通したことなのだろう。

我が国の都市のマネジメントを考えるときに重要なことは、都市の空間のほとんどが私的に所有されており、政府も分権化されているということである。

1980年代から我が国は徹底した都市開発の民営化と都市計画の分権化を進めてきた。COVID-19の危機において中央政府が出せたのは「自粛しよう」というかけ声くらいのものであって、空間のマネジメントを具体的に変化させる役割は、民間と地方政府が組み立てる小さなマネジメントの単位(たとえば、町内会や自治会や商店街組合とった古いものから、地域運営組織やまちづくり会社といったものまで)に委ねられており、中央政府が一律的に空間をシャットダウンする、その密度をコントロールすることができるわけではない。