コロナを教訓に…今こそ日本が「脱インバウンド」に向かうべき理由

【対談】古川元久×河合雅司

新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言が5月25日、全国で解除された。しかし、東京都は6月3日、都内で新たに12人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表するなど、予断を許さない状況が続いている。

なにより、これまで「当たり前」だった社会構造や価値観が大きく変化していることを多くの国民が実感していることだろう。日本はこれからどこへ向かっていくのか、今あらためて考え、議論するときが来ている。国民民主党の代表代行を務める、古川元久 元国家戦略担当相と、『未来の年表』シリーズの著者であり、このほど『「2020」後 新しい日本の話をしよう』(講談社刊)を上梓した河合雅司氏に話を聞いた。

※記事内の写真は本年2月14日に取材した際のものです。新型コロナウイルスの拡大を受け、ソーシャルディスタンスを保った再取材のもと本記事を構成しています。

ふるかわ・もとひさ/1965年愛知県名古屋市生まれ。88年東京大学法学部卒業、大蔵省(現財務省)入省。94年大蔵省を退官、96年衆院選挙で初当選。民主党政権時に内閣官房副長官、初代の内閣官房国家戦略室長、国家戦略担当大臣兼内閣府特命担当大臣などを歴任。現在、党代表代行、コミュニケーション戦略本部長。
かわい・まさし/1963年愛知県名古屋市生まれ。作家・ジャーナリスト、人口減少対策総合研究所理事長。高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員、厚労省をはじめ政府の各有識者会議委員なども務める。著書に『未来の年表』『日本の少子化 百年の迷走』など
 

人口減少と高齢化がデフレの呼水に

河合:2020年代に入り、本格的に少子高齢化が進み始めるというタイミングで新型コロナウイルスの感染拡大となりました。コロナ後の社会再建は少子高齢化の影響も踏まえなければなりません。

「2020後」の日本は人口が減り、国内マーケットが縮むことは明らかですが、コロナ禍で消費が急激に落ち込んだ現状は人口減少後の近未来を思わせます。「コロナ前」に回復させようというより、このタイミングで生産性を向上させるべくビジネスモデルを転換させることが不可欠だと考えます。

古川:そのとおりですね。日本のデフレの根本的な原因は、人口減少と高齢化です。戦後日本のビジネモデルは、人口が増える前提のもと、「いいものを」「安く」「大量に」作って、マーケットシェアを拡大する手法でした。シェアがいちばん大事だという発想です。

それだけ日本国内のマーケットが大きかったのですが、もう今後は縮小する一方なわけだから、これからも国内シェア拡大を続けようとすれば、がまん比べの価格競争にならざるを得ない。結果的にデフレスパイラルに陥ります。これからはシェアの維持ではなく、少量でもいいから利益率を上げることが重要。ビジネスの発想を根本から変える必要があります。