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生産性が下がる?子育てが楽になる?「リモートワーク」3つの誤解

人と人の信頼関係を問う「新しい働き方」
マネー現代編集部 プロフィール

意見が膠着してしまうようにみえるオンライン会議も、工夫次第で活性化する余地は十分あるという。

「キャラクターは人それぞれです。積極的な人もいればそうでない人もいる。違う方法の会議でのアプローチは我々にそれを気づかせてくれました。多様な発言手法が確立されれば、会議の意義が格段にあがり、結果として生産性の高い会議になっています」

ただ、こういうとリモートワークこそ素晴らしいという結論になりがちだが、もちろん最初から順風満帆だったわけではない。

「急にメンバーと顔を合わせなくなったときに、不安になったこともあります。隣にいる人にすぐに聞けないことは想像以上に孤独なんです。そこでチームで相談しTeamsの中にぶらさがりチャンネルを作ったんです。毎日14時30分から15分間、雑談する時間を作りました」

この雑談の効果は高かったと宮原さんは言う。

会社にいたら忙しいかもしれないと気を遣っていた場面でも、雑談時間を決めると遠慮せず話せるようになり、今まで知らなかったワンちゃんの話や家のことなどメンバーのプライベートの話ができ、お互いを深く知るきっかけになりました。それは上司に対しても同じで、仕事の相談で話しかけるタイミングを今まで気にしていましたが、チャットであれば返信は相手のペースに委ねられる。そういう利点は仕事の効率化において重要だと感じています」

 

最後に、リモートワークになって上司から仕事を監視されているのではないか、と思うことはないか、質問をぶつけてみた。

「性善説と性悪説があるとすれば、人を信じるという信頼関係ができているところが会社の強みです。また仕事の評価は時間ではなく成果という考えも社内にあるので、自分のするべきこと、やりきるモチベーションは上司と相談しながら目標を立てステップアップを目指しています」

そうした背景には職務内容を明確にした「ジョブ型」の働き方への理解がある。「ジョブ型」とは、従来日本が得意としていた上司の指示を仰ぎながら日々の業務をこなすというやり方と違い、そのポストに必要な能力に応じて、労働時間ではなく成果で評価を行うもの。日本で長年浸透してきた終身雇用を前提に社員がさまざまなポストに就く「メンバーシップ型」とは異なる。

上司が見えない在宅勤務で「過度な監視」をする必要がないという点で、リモートワークとの相性は良いと考えられている。こうした「ジョブ型」の働き方は今後さらに加速すると予想される。

NTTコミュニケーションズのカルチャーとしても上司の指示を仰ぎながら日々の業務をこなすというやり方よりは、信頼して任せる文化が根付いている。だからこそ、「ジョブ型」の適正な運用には「適切な成果目標の設定」と「その達成度を正当に評価できる」仕組みが今後の課題となるだろう。そう遠くない未来には、「監視」などという発想自体がなくなる日がくるかもしれない。