ただ、異なる見解を示す結果もある。ボストン近郊を対象とした多施設研究では、休校単独による感染抑制の効果はわずかだと報告されている(※4)。両研究の違いは条件設定の違いによるものかもしれないので、今後のさらなる研究を待ちたい。

今後はこうした研究の結果を踏まえて、感染抑制の効果と教育がストップすることの弊害を天秤にかけて判断していく必要があるだろう。いずれにせよ学校には、オンライン授業をより積極的に導入するなど、密にならない仕組み、また感染の第2波、第3波に備えた体制の整備が求められている。

「外出制限」に効果にも異なる見解

日本では4月8日から緊急事態宣言が施行され、法的強制力の無い「自粛」という形ではあるが、飲食店などの営業制限、娯楽施設の休業、保育所や学童保育の利用自粛、リモートワークの推進と通勤自粛が要請され、東京の中心部は閑散としていた。googleの提供するデータによると、通勤(駅における人出)は日本全体で終始5割程度減少していたという(※5)

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日本では欧州諸国のような厳しい移動制限や外出制限が行われなかったが、発症日ベースで見ると、緊急事態宣言前の3月末頃に感染のピークを迎えたと専門家会議は報告している(※1)

では、海外のロックダウンに関する最新研究ではどうかというと、前述の休校のように意見が分かれている。前述のイギリスの論文では、厳しい外出制限は効果がないと結論づけている一方で、中国の論文では、武漢のロックダウンは感染者が倍増する時間をゆるやかにすることに効果があったとしている(※6)