観客のいない神宮球場 Photo by PhotoAC

「無観客試合」普通の試合との違いはどこにある?

認知心理学者に聞いてみた
ようやく「球春」が到来しそうです。プロ野球は6月19日に開幕、Jリーグも6月末から順次再開、となりました。

ただし、しばらくは観客を会場に集めずに行う「無観客試合」が主流となるかもしれません。この状況だからこそ考えたい「雰囲気」の科学について、認知心理学者に聞いてみました。〈元記事はこちら

新型コロナウイルスの影響で、さまざまなスポーツで「無観客試合」が開催されています。

ニュース番組で、観客席に誰もいない中で行われているプロ野球の試合を見た私は、「あれ.……? なんとなく選手の様子や雰囲気がいつもと違うなぁ」と感じました。

そして、観客の存在って、どんな意味があるんだろう?? こんな問いを抱き、調べてみることにしました。

 

実は、日本科学未来館の研究エリアには、研究の一環で観客や応援に注目している先生がいらっしゃいます。「潜在情報プロジェクト」の代表者、早稲田大学の渡邊克巳教授です。

渡邊先生は認知心理学を専門としていて、とくに潜在情報(無意識)について研究をされています。

渡邊克巳先生(早稲田大学理工学術院)

人と人が関わるときに生まれる雰囲気とは何なのか、そして互いが無意識のうちにどのような相互作用を起こしているのか? それらを解析するために、先生を含む研究グループはなんと野球やバスケットボールなどのスポーツの試合をも研究対象としているのです!

応援にはどんな意味がある?

普段の試合会場では、観客が歓声や拍手で試合を盛り上げたり、固唾をのんで試合を見守ったりするといった、さまざまな応援が存在します。無観客の場合だと、試合会場にはそのような応援がありません。

神宮球場の客席 Photo by PhotoAC

無観客試合での選手のパフォーマンスは、観客がいる中での試合と比べてどんな違いがあるのか、渡邊先生にお聞きしました。

結論から言うと「普段と変わることは予想されますが、人や状況によりますよね。実のところよく分かっていません」とのこと。

他者が周りから見ることによって、見られる側が影響を受けるようなことを、心理学では「観察者効果」といい、昔から研究が行われています。応援も観察者効果のひとつです。

観察者効果がどのように働くかは、たとえば、何をしているところを見られるのかによっても変わってきます。