アメリカ黒人殺害事件…前代未聞の「抗議デモ」その深すぎる闇

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笹野 大輔 プロフィール

「アメリカ・ファースト」がウケる理由

アメリカの中流家庭では生活が苦しく、労働力では安くて文句を言わない移民が押し寄せ、日常品は中国製品が溢れた。ニューヨークでも移民は多いが、例えば看護師や介護士などの医療関係者は、フィリピン人やジャマイカ人が多くなった。彼らは英語を話し、アメリカ人より労働賃金が安いからだ。

ニューヨーク以外の州では共和党を支持する州の白人の多くが職を奪われたり、収入が減ったりした。これが「アメリカ・ファースト」がウケる理由なのだ。

ニューヨークの警官の大多数は黒人や南米系だが警察への攻撃が続く photo by gettyimages
 

今回の警官による黒人男性の首の圧迫で死亡した事件においても、男性が偽20ドル札をお店で使った。結果的に白人警官が黒人を殺害したが、白人警官が白人を殺害する場合もある。そのときに騒がないのはなぜか、暴徒化したら警察や州兵が鎮圧するのは当たり前だろう。だからトランプ大統領が「米軍を送り込む」「全米に広がっている暴動を終わらせる」「略奪が始まれば、銃撃も始まる」という発言や書き込みは、保守的な層にとって正しい論理になるのだ。

多くの抗議デモ参加者は暴徒化していないが、映像で黒人が破壊や略奪する行為がテレビやSNSで数多く流されている。それを不満に思わない人はいないだろう。殺害された男性の弟のテレンス・フロイドさんも破壊や略奪には反対している。だから保守的な白人たちは論理として破綻しているわけではない。しかし、どこかで保守的な白人は「これだけ黒人にしてあげているのに」という与える側の立場にいる。白人も元をたどれば移民なのに。