アメリカ黒人殺害事件…前代未聞の「抗議デモ」その深すぎる闇

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笹野 大輔 プロフィール

政権は不満がないと変わらない

トランプ大統領を支持している人(多くは白人)にも支持する論理はある。元々、トランプ大統領が選ばれた理由も関係しているだろう。前オバマ大統領が、黒人などのマイノリティ層へ厚遇したからその反動があったのだ。どこの国でもそうだが、政権は不満がないと変わらない。

アメリカの大統領は、任期4年2回の8年ごとに共和党と民主党が振り子のようにして政権が変わってきた。前オバマ大統領が力を入れた国民皆保険である「オバマケア」も実質上、廃止になった。昨年の確定申告から無保険者への罰金がゼロになったのだ。トランプ大統領は「オバマケアを廃止する」という公約で大統領になったが、反対勢力が多くオバマケア廃止に4年弱かかったということでもある。

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共和党支持者の白人の論理はこうだ。「健康保険に入らない自由がある。政府の財政支出は抑えるほうが良い。自分たちの税金が貧困層に使われて自分の生活が苦しくなるのはおかしい」という具合だ。

オバマ政権時代に公立大学授業料の無償化を提言して実現したり、黒人などのマイノリティは大学に入りやすくしたり、奨学金などの優遇措置を数多くした。保守的な白人からすると、同じ努力をしているのに黒人が入試に受かったり、優遇措置を取られたりすると不公平と感じるのだ。アメリカは貧困層にフードスタンプというスーパーで使えるお金を支給したり、無料の保険があったりもする。保守的な白人からすると、「なぜ自分の税金が」と思うだろう。

これは日本では生活保護受給者への風当たりと似ている。自分の税金で不正受給されていると腹が立つ、この前パチンコ屋さんから出て来る所を見た、家賃も出され、医療費まで無料なのはおかしい、などだ。似たような不満がトランプ大統領を誕生させた大きな一因でもある。